創立70周年記念祝賀会
赤上会長挨拶
「70周年を迎えることができたのは、今までご支援、ご指導いただいた関係行政、関係機関の皆様、そして、業界発展に尽力された多くの先輩の皆様のおかげと心から感謝申し上げます。ビデでもご覧いただきましたが、現在、秋田県トラック協会の会員数は406社、擁する車両数は8138両まで拡大してきました。
私どもは県民の暮らしや秋田県の産業・経済の発展に寄与してきたと自負しておりますが、この70年の間に、私どもの業界には様々な環境変化がございました。戦後の混乱期を乗り越え、高度経済成長による活発な輸送需要の支えられ、昭和40年代にかけて大きく躍進しました。その後、昭和49年、54年の二度にわたるオイルショックに直面し、産業構造の変革に伴う輸送ニーズの高度化、多様化への対応を余儀なくされました。平成2年には「物流2法」施行による規制緩和により業者数が爆発的に増加する一方、バブル経済の終焉とともに貨物量が減少し、事業者間競争が激化することになりました。時期を同じくして、「安全」や「環境」に対する社会的要請が高まりました。平成15年には大型トラックへの「速度抑制装置」や「排ガス抑制装置」の装着が義務付けられ、負担が重くのしかかりました。平成16年頃には軽油価格の高騰が始まり、平成20年には安定期の2倍の歴史的な高値を付ける事態もありました。
簡単に大きな流れを紹介させていただきましたが、私どもトラック業界はその都度、大小の課題に向き合って解決を図ってきました。それができたのもトラック協会という組織があったからこそと考えております。また、トラック協会は大きな構造変化への対応のみならず、社会貢献活動も積極的に行ってきました。大規模災害時のトラックによる緊急輸送の対応は高く評価さえています。今後さらに各自治体や他県協会との連携を図りながらより高度な緊急輸送体制の整備を図っていく必要があると考えています。秋田県警が進める「歩行者ファースト」にも積極的に参加し4000枚のステッカーを作成し啓蒙活動にも付与しています。四年前から開催しているトラックフェスタでは、トラックへの理解を深めていただくだけでなく、秋田県警やバス協会、ハイヤー協会をはじめ、自動車関連団体と協力し、県民に「交通安全」を発信しています。
特にご紹介したいのは「物流交流授業」です。小学校5年生が社会科で物流を勉強しているのを知り、平成11年から県内各地の小学校を訪問し、物流交流授業を行ってきました。昨年まで延べ215校を訪問してトラック輸送の役割を紹介しながら授業のお手伝いをさせていただいてきました。この活動は秋田で始まり、秋田から全国に波及し、広がっています。これからも、私どもの様々な活動に注目していただければ幸いです。
現在、私ども業界は大きなうねりに直面しています。昨年、私がお願いして組織していただいた県議会のトラック輸送振興議員連盟の場で、初めて「秋田の物流の危機」という表現をさせていただき、問題提起させていただきました。その問題の根源は「人口減少」に伴う労働者不足と「働き方改革」に伴う労働時間抑制です。首都圏から遠い秋田県の地理的リスクを考えたとき、近い将来、秋田県と首都圏を結ぶ現状のトラック輸送ができなくなるかもしれません。私どもはこの課題に向き合うため、今年度、「生産性向上検討委員会」という新たな委員会を立ち上げました。秋田県の物流を守るためのアクションプランを作成しようと思っています。さらには、国土交通省、厚生労働省が主管する「トラック輸送における取引環境・労働時間改善秋田県協議会」、また、秋田県が立ち上げた「秋田デジタルイノベーション推進コンソーシアム」ともリンクさせて実効性を高めていきたいと考えています。
秋田の物流の危機は秋田の産業・経済の危機と言っても過言ではありません。秋田県全体でこの問題を共有していただければ幸いです。私どもは今後も国内物流の基幹産業として、安全・安心なトラック輸送を通じて、産業・経済の発展と国民生活の安定・向上に貢献するために会員一丸となって努力してまいります。
70周年にあたり、秋田県トラック協会の会員並びに職員共々決意を新たにし、秋田の物流の未来を描くために邁進してまいりますので、皆様にはなお一層のご支援ご指導を賜りますようお願い申し上げます。結ぶに、本日ご臨席を賜りました皆様の益々のご健勝、ご多幸、並びに会員各社のご繁栄と安全を祈念してご挨拶と致します。」と挨拶をされました。
続いて、長年にわたり協会を支えて下さり、業界の発展に貢献されました歴代の協会会長の方々に感謝状の贈呈を行いました。
秋田運送(株) 代表取締役社長 石田 哲治 様
六郷小型貨物自動車運送(株) 代表取締役社長 近藤 道哲 様
日の出運輸企業(株) 代表取締役会長 嶋田 康子 様
アトラクションでは、あきた舞妓の「祝舞い」が披露され、祝賀会に花を添えていただきました。